魚類剥製
魚の剥製って骨くらいは利用するのかな、乾燥させた後に身と内臓をだけ取り出して、何か詰め物を施して、あとは特殊な防腐作業やコーティングを施すのかな・・・・などと、これまで長らく、なんだか凄くド素人的な発想をしておりました。
ある時、気になったので少々調べてみたところ、魚を型取りして作った「胴芯」(発砲スチロール素材等)と呼ばれるものに、 皮を被せて乾燥させ、義眼入れや着色、艶出しを施しながら仕上げていく製法が、どうやらオーソドックスな作り方だと分かりました。
つまり、基本的に魚類剥製の場合、実物の魚からは、皮しか使用しないのですね。
ちなみに、一般的な動物の剥製を作る場合も似たような作り方が用いられています(ぬいぐるみ的に詰め物をする方法もあります)。
また、よりリアルな姿にするには、フリーズドライの技法が大変有効みたいですが、製作期間が数週間~と長期に及ぶとのこと。
嗚呼・・・私が知らなかっただけで、剥製・標本の世界では、ごくごく常識だったのですね。つくづく無学は恥だと思い知った次第でございます。
まるで水から飛び出してきたような、 躍動感があるイキイキとしたリアルな「立体オブジェ」に仕上げる為には、さぞかし卓越した技術とセンス(魚心やアーティスティック性)が要求されるのでしょう。職人さんたちは試行錯誤を重ね、それそれ独自の素晴らしい技法を持っているようです。

剥製工房への依頼
デジタル機器(カメラや動画撮影機器)の性能・使い勝手が向上していることや、キャッチ&リリース文化が根付いてきた関係もあって、魚を剥製や魚拓にする嗜み方は、今や希少になりつつあるようです。
でも、自分史上最大サイズのターゲットをモノにした時の記念や、楽しかった釣行の「思い出の品」として、とりわけ剥製はスペシャル感があります。

釣った魚を剥製にして残したい場合、未経験者がいきなり作るのは、手間も技術も時間もかかるので大変だと思います。通常はやはりプロに依頼する事となるでしょう。
魚類専門の剥製工房にて釣った魚を剥製にしてもらう場合、アングラーは釣魚を直接お店に持ち込むか、郵送して依頼を行う事になります。
依頼の手順は各工房のホームページで丁寧に説明されています。 まずはメールや電話で相談するのが良いでしょう。
魚拓(3種類の作り方)
これまた剥製の場合と同様にスーパーど素人な感覚かもしれませんが(ん~汗)、魚類剥製と同じく大きなモノほど製作が大変なのでしょうね。
ふにゃっとした軟体性のイカやタコ等の魚拓は、手間が掛かりそうですよね。(但し、作ってみたいと思う方は少ないような気がします。)
さて。伝統的な魚拓の作り方には、直接法と間接法があります。
また、デジタル画像をパソコンでアレンジして作る、デジタル魚拓なる技法もあります。
直接法
直接法は、魚の表面に直着色を施して、その上に紙を乗っけて紙に姿を写す技法です。
会心の釣果を、この方法で残そうとされるアングラーも、少なくないのではないでしょうか。
直接法で作られた墨の魚拓をよく見かけますが、墨の濃淡や魚への塗り方を工夫する事によって、より味わいのある立体的な魚拓に仕上げる事が出来るようです。

間接法
間接法は、魚に紙(あるいは布等)を乗せた後、紙の上から着色を施す技法です。
多色を使用する事によって、色彩豊かな繊細な表現を可能にします。
匠の技が魅力の魚拓専門店に製作依頼する場合は、一般的にはこの間接法で作ってもらう事が多いかと思います。

デジタル魚拓
デジタル魚拓は、ある程度はパソコン内で補正可能ですが、やはり、元となる画像のグレード(構図や画質・画素数)が、出来栄えの良し悪しの大切なポイントとなります。プリンターの印刷精度も重要でしょう。
拡大や縮小も容易です。原寸大(とはいっても限度はあるでしょうけど)で仕上げてもらえるサービスもあります。
手作り魚拓のアイテム
前述の通り、剥製のハンドメイドは、その作業工程を考えると、随分と時間と手間がかかるので、ハードルが高そうに感じます。
いっぽう魚拓については、(出来栄えは、プロの職人さんには遥か遠く及ばないにしても)頑張れば、自分なりの味わいがある作品を手作り出来そうです。
ハンドメイド アイテム
転写フィルムを使って作れます。
魚拓用紙です。
墨、ブラシ、タンポ、用紙他の拓本セットです。
DVD・入門書
動画による作り方の解説です。
カラー魚拓のテクニック(直接法)。
中古本なので安価です。