沖釣りならGPS魚探を選ぶべきでしょう
GPSが一般的に普及する前は、「山立て」と言って、陸上の建造物や山などを2か所見通し線上に置いて、またその90度左右いずれかに同様の見通し線上に目標物を置いて位置決めをしていました。
昔の漁師さんは、この技術を駆使して目標とする漁場へ行きました。
山立ては、慣れてくると結構いけるもので、現代のレジャーフィッシングにおいても、沿岸部では普通に使っている方も多いです。
では、かなり遠くの沖に出た場合はどうでしょう。
陸地が見えず、何らランドマークを確認できないのであれば、山立ての手法を使うことができません。
コンパス方位で方向を探るだけになってしまい、自船位置を把握することは容易とは言えないでしょう。
沖へ出るボートにとって今やGPS機器は、安全航行に不可欠なものになっていると言えるでしょう。
近年、GPSの精度は向上しており誤差もかなり縮まっています。気になるほどの誤差は生じないでしょう。
沖釣りで魚群探知機を使うのであれば、少々価格は高くなるかもしれませんが、GPS機能が搭載されたものを選ぶべきです。
GPS機器から得られる情報
GPSは、ざっと次のような情報が取得可能な優れた計器です。
- 自船の位置(経度緯度表示と地図上に自船表示)
- 自船の航行方向、方位
- 自船の航行速度
- 目的地設定の場合、目的地の方向や位置、到達時刻と所要時間
- 機器登録海域の地図情報(海域の名称、等深線、航路標識等、ランドマーク等々)
- 地図上に任意登録をした、マークやラインの表示
現わされる地図が「地上」か「海上」かの違いはありますが、仕組み的には、陸上のカーナビゲーションと同じです。
陸上ならば、道路の位置で、どこどこの交差点やコンビニ前というような表現ができますが、海上には航路標識のブイ以外に何も目印が無いので、地図上に任意にプロットすることで目印を作ります。
この目印とは、「航跡」と「マーク(場所)」が主たるものです。
言い換えますと、目印を自身でどんどん増やしていき、地図を自分なりに作っていくと使いやすくなります。
航跡の記録
記録させる航跡には、2通りあります。
- 目的地や帰港時の航行時の航跡
- 釣り場で潮に乗せて、釣りのためにボートを流す、潮の流れでの航跡
目的地や帰港時の航跡は、よく行く場所との往路・復路を航跡記憶をさせると、次回以降に目的地の設定をしなくても、航跡をトレースすれば良いだけなので、方向がわかりやすくなります。
GPS魚探の目的地設定でのナビゲーションは、経過地を指定しなければ(また島や岬を迂回する必要がなければ)、陸上のように道路を何度も変更して進むのとは違い、現地点から目的地まで水の上を一直線です。
ボートの航跡を記録することにより、目的ポイントまでのナビゲーションが分かりやすくなります。また、島や岬のあるところは、浅瀬や暗岩があり、岸寄りの航行は危険がありますが、過去に一度通ったルートの航跡は、安全航行の証明になります。ぜひ記録しておきましょう。
航跡を記録しておくと、例えば、ボートを潮に乗せてポイントの上を流して行く場合の出発点と経過点、終点がより明確に確認できます。
流し釣りをする場合、この航跡があるのとないのとでは、後々の釣果に大きな差が出ます。これは、ボート・フィッシングをする際の、自分だけの宝物になります。
マークの記録
記録させるマークには、2通りあります。
- ボートで向かう場所、目的地や経過地のマーク
- 釣りポイントで、詳細画面で細かいポイントのマーク
目的地マークとは、出航してボートで向かう場所のマークです。釣りポイントの場所や、クルージングポイント等をマークしておきます。
このマークを作っておかないと、目的地へのナビゲーションができません。いわゆる、目的地リストは、カーナビと違い自身で作っていきます。
緯度経度がわかっていれば、それを入力すればOK。カーナビでの住所入力と同様です。
また、目的ポイントまで一直線のルート上に陸地や島があった場合、迂回することとなり経由地入力(マーキング)が必要となります。
必要に応じて海図にマークを書き入れていくことが、自分にとって使い勝手の良いGPS魚探を育てることとなります。
釣りポイントでのマークは、これこそ自分で釣りをするための目印ですから、工夫をして釣れた場所をマークしていきます。独自のオリジナルな釣りのノウハウとなるでしょう。
マークの形状・色
マークは、GPS魚探機器ごとにいろいろな形が選択できます。
また、航跡も含めて、お好みで何色かを選択できますので、形や色を変えて表現しておくと便利です。
GPS画面の上端は、進行方向?それとも?
ディスプレイにGPS地図を表示する場合、画面の上下右左をどのように設定するか問題・・・です。
もちろん、これは好み問題です。
ボートの進行方向を上(コースアップ)にしたほうが分かりやすい方は、そのようにすれば良いでしょう。
でも一般的には・・・・
GPS画面を見ながら操船している時に、実際の船がどっちを向いているのかが把握しやすいのは、ノースアップ(北を上にする)ではないかと思います。
余談ですが、公共の場(例えば地下鉄構内)の案内地図には、上が「南方向」になっているものがあって、幼い頃より「地図の上の方角は北」という刷り込みがなされているサイト管理人は、地図が逆さまになっているように感じて大変分かり辛い時があります。こういう方、結構いらっしゃるような気がしますね・・・
GPS機能を育てましょう
GPS魚探を有効に使いきるために、自分にとって必要な航跡やマークを記憶させていきます。
「独自の情報」が蓄積されていくことによって、魚探は自分の釣りに馴染んできます。そして、使い勝手の良い道具へと変貌していきます。
カーナビゲーションと違い、初期設定のままでは有効活用ができません。どんどん使って記憶させて、GPS機器を育てていきましょう。