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「DIY」で魚探機器をボートへ取り付ける

GPS魚群探知機の取付けについては、ボートショップやマリーナに依頼すれば、有料で施工をしてもらえます。

プロの仕事ですので丁寧かつ安全に仕上がるでしょう。時間的な余裕が無い方や工作が苦手な方は、丸投げしてしまうのも手かと思います。

その場合、事前にしっかりと作業の打合せをしたり見積もりを取って作業明細や費用について確認しておきましょう。

そして、出来るだけコストをかけたくない方、電源工事を確実に出来る方は、DIYで、つまりご自身で取り付けてみてはいかがでしょう。

それほど難しい作業ではありません。必要な材料・パーツや工具類が揃っていれば、多少の時間はかかりますが一日で完成させる事が可能です。

一度トライしてみて、うまくいかなかったとしても、その時は、またやり直せば良いだけです。

面倒そうなのが振動子の取付けですが、スルーハル以外の取付け方ならば、仮に失敗しても船体に著しい損傷を与えることはないでしょう。

魚探の取扱説明書に記載されている内容をよく理解した上で、作業に取り掛かりましょう。

本ページでは、ボート本体への魚群探知機(本体、振動子等)の取付け方の概要や、作業のポイントについて掲載しています。
(主に、プレジャーボート(フィッシング・ボート)への取り付けを想定しています。)

取付け方の概要(ポイント)
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電源の確保を行う

趣味・レジャー用のフィッシングボート(プレジャーボート)の場合、バッテリーが搭載されており、そのメカニズムは自動車と似ています。

このバッテリーは、航海灯などの灯火類、無線設備、オーディオなど、様々な設備の電源に使用されています。

ボートの魚探電源

GPS魚探の電源についても、ボートのバッテリーを使用することとなります。操縦席ダッシュボードの裏などに設置されている配電盤の予備配線から電力の供給を受けます。

電源確保においては、ショートしたり、振動などで停電にならないように、確実かつ安全な配線を行うことが大切となります。

パーツ類については、カーショップで販売されている車の電源用のパーツで十分に使用が出来ます。

    チェックポイント

  • 電源工事の際には、バッテリー電源を切ってから作業をします。
  • ボートの配電盤に接続の際は、使用機器の純正電源ケーブルの使用がベスト。
  • 機器の付属ヒューズ以外に、配電盤(供給元)のヒューズの容量が適正かを確認。
  • 配線ケーブルを必要とする場合は、使用機器の電流を確認して余裕のあるケーブルを使用。
  • 接続は、必ずギボシ端子など必要な端子を適正に使用します。
  • GPS魚探の電源ケーブルに機器用のヒューズがあるので確認をします。

本体(送受波器)の取付

ディスプレイ一体型&アンテナ内蔵型の機種の場合についてご説明します。

通常、本体は操舵席の付近に取り付けます。ご自身のお好みの場所に設置すれば良いのですが、航行中に操作・画面確認を容易に行える事が理想でしょう。

    次の点を考慮して取付場所を決めます。

  • 操作しやすい位置(手が届く場所)
  • 画面が見やすい位置(航行中に大きく視線を変えずに見れる場所)
  • 航行のための視界を十分に確保出来る位置(航行の妨げにならない場所)
  • 相応に重量のある機器を頑丈に固定できる場所(ダッシュボードの上など)

設置する位置が決まれば、付属のステーを使用して、ネジ穴をドリルで開けて、ビスにシリコン剤を塗付して、しっかりとタッピングビスで固定します。ボートの振動に耐えられる、しっかりとした固定が大切となります。

センターコンソール艇などオープンボートは、ダッシュ埋め込みや、魚探用のケースを使用するなどの工夫がいる場合もあります。

カートップなどのミニボートの場合は、コンテナケースなどに小型バッテリーと同梱して固定をすると、雨や波による水濡れの防止に役立ちます。運搬にも便利です。

振動子の取り付け

振動子ごとに、それぞれ推奨の取付位置や取付方法があります。

まずは、ボート、魚群探知機、振動子等の取扱説明書やメーカーのホームページを参考にすると良いでしょう。

ここでは、ハル(船体)の内側の底(床:ソール)に直接貼り付ける方法のポイントについてご説明します。

この方法(インナーハル)は、スルーハルと比較すると容易で、一般的な取り付け方だと思います。

船底に穴をあけて貫通させ取り付ける方法(スルーハル)は、工事に手間がかかり相応の技術を要するので、行う人は少ないでしょう。

インナーハル用の振動子を使用します。シリコンでしっかりと接着固定させます。

振動子の「取付位置」と「取付(接着)」は、魚群探知機の性能に大きな影響を及ぼすので、丁寧に作業を行いましょう。

取付位置について
  • キール等の構造材で船底が厚くなっている場所は避けます。
  • 一般的に、船の長さの1/2から2/3の位置がベストと言われています。また、もう少し後ろでも問題なく機能すると考えます。
  • ハルを三分割した場合(バウ、ミッドシップ、スターン)、ミッドシップ後部~スターン部にあたります。

ハルの底(床)に直接貼り付ける場合、航行中にハルが水面から離れない場所を選びます。

速度を上げた際の水流や波などで生じるピッチング(揺れ)の影響によって、ソナー送受信が正常に機能しなくなる事を回避するためです。

ちなみに、トランサム、エレキモーター、舷側、船首部へ取り付けを行う場合は、船外取付となり水中に置くこととなります。

取付(接着)について
  • 振動子と船底の接着面をサンドペーパーで磨き、アルコール等で接着面をきれいに拭きます。
  • 接着面両面にシリコン剤をしっかり塗り、絶対に気泡が入らない様に押さえて接着します。
  • シリコン剤で接着したら、魚探映像を確認します。きれいな魚探画像が出ればOKです。
  • 正常な画像が表示されない場合は、 接着に問題がありますので、シリコン剤を取り除き、再度接着をします。
  • 接着部分が固まるまでマスキングテープなどで固定します。硬化するまで24時間程度が必要でしょう。
ケーブル類について
  • 振動子のケーブルは、取付場所からコネクター部分を本体へ向けてボート内を通していきます。
  • 濡れにくい位置に固定しましょう。

取付け例:イケスへの取り付け

イケスを搭載しているボートの場合は、イケス内部の底に取り付けることがあります。

多くのボートのイケスは、独立した箱のような状態となっています。つまり、2重底の構造となっています。

2重底の場合、ハルの底とイケスの底との隙間に空気が溜まることとなり、ソナー(超音波)送受信に支障をきたします。普通にイケスの底に振動子を貼り付けても魚探能力が充分に発揮出来ません。

そこで、下記の画像のように、スカッパー(給排水口)のキャップを閉じるように取り付けると、その問題が回避出来ます。

ボートのイケス内部(振動子)

画像では、3ヶ所あるスカッパーの内、1ヶ所を利用しています。水を遮断するためにシリコンで防水しています。

備考:内蔵型のGPSアンテナについて

GPS魚群探知機のアンテナには、外付けタイプと、本体に内蔵されたタイプがあります。

レジャーフィッシングで使用する機種には、内蔵型が多くあります。アンテナの設置や配線を施す手間が省けます。

アンテナ内蔵型のGPS性能については、FRP製のボートならば、完全に電波が通るので問題ありません。

キャビンのルーフが特殊な仕様であったり、フライブリッジなどがなければ、内蔵型で良好に使用出来るのではないかと思います。

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